アルハンブラの夜

昨晩は、アルハンブラ宮殿のナイトビジット。宮殿は外から見るとかなりぶっきらぼうな印象だけど(もちろんそびえ立つ姿は壮麗なのですが、例えばヴェルサイユなんかと比べると無骨)、中は本当に官能的。イスラム建築にスペインのFさんとYさんがミックスを試みて、壁を削って「プルス・ウルトラ」なんて書かせてはいるのだけれど、蛇足。元の姿はおそらく極彩色で、まさに入口の名である「天国への門」が示す通り、ハーレムハーレム極楽浄土、だったんだろうな。部屋の中は白い石が刻まれていて(ちなみにこの刻まれた模様は昼間は真っ白でよく見えない、夜になるとランプの光で影ができて浮かび上がるのだ!!)、その模様はよく見ると言葉なのだ!アラビア語なの!友人によれば、それはなんと一人称で書かれた詩で、いかに「自分」が美しいかを雄弁に語っているのだという!!いってみればとってもうるさい部屋なのだけれど、同時に静謐でserene.中庭のライティングは満月の光の下で見えるくらいになっていて、もうなんていうか、美しくて言葉が出ない。その建築様式の複雑さと洗練、時折見られる残虐さ(いきなり玄関の脇に鉄格子があって、謀反人などはその様々な人々が行き交う場所に閉じ込められ見殺しにされたという!つまり見せしめ。その話を聞く前に穴をちらっと見ただけで妖怪アンテナが5本以上たって鳥肌、本当にものすごく怖い場所)。優美で高貴、そして野蛮って在り方として美しい。